ローフードキッチン　チヅ　かりゆし

昨夜、バイオテクノロジー（生物工学、生命工学）の世界的権威である村上和雄氏の「サムシング・グレート、大自然の見えざる力」という本を読んだ。

「人間的な傲慢さや科学至上主義、人間至上主義でいるかぎり、いくら物に恵まれても、本当の幸せは得られない。サムシング・グレート（人間を超えた大いなるもの）の思いはどこにあるかを知り、そのはたらきに素直に感謝し、互いに立て合いたすけ合って暮らすこと━これこそ、バイオ新時代の人間の真の生き方である。…」（「サムシング・グレート」から引用）と、村上氏は語り、科学者でありながら、いや科学者であるからこそ、この時代、地球規模で起きている沢山の危機的状況に私たちはどうすればよいのか、ご自分の生き方を通してやさしい言葉で語られている。

1999年の初版でありながら、版を重ね、今私たちが直面している311後の世界を予見していたかのように。

311がらみで思いがけず沖縄に来て、たくさんの現地の方、被災された方に出会い助けていただき、奇跡のように今もって出会いつづけていることに、我が命のあることの不思議を思わずにいられないとき、
「わたしは全地のおもてにある種をもつすべての草と、種のある実を結ぶすべての木とをあなたがたに与える。これはあなたがたの食物となるであろう。…」旧約聖書、創世記１章ー29。
という聖書の言葉に出会い、今また、村上氏の「サムシング・グレート」に出会った。

聖書の言葉は、初め松田麻美子先生のナチュラル・ハイジーンの本の中でみつけたものであるが、村上氏も聖書の言葉も、人間は自然の法則に従って生きよ、と言っていることに違いはなく、そう思うと、言葉にできない喜びがある。

東京を離れることができずにいるつれあいにしても、私がこの奇跡のような事柄や人々に出会うために用意された条件だったのだと今ようやく理解できる。

昼も夜も外国のような場所で、ひとりきりの自分と向き合い苦しみ涙したからなのだと。

「”ふし（節）から芽が出る”といい、思いがけない苦しみは飛躍の契機となるという教え」を知っていた村上氏は、与えられた一つの目的に向かって、どうでもやり切る心を定め、結果は神様にまかせて精いっぱい努力する。……現実場面では不安におびやかされても、心の奥底では安心の境地でいられる、ということも言っておられる。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　◎

「サムシング・グレート」を読んでいるとき、なぜか急にクラッカーを作りたくなった。

酵素が壊れない48度前後の温度を保ちながら、ディハイドレーターという乾燥機で20時間近く乾かして作る。
今回はフラックスシード＜亜麻仁（あまに）＞で作るフラックス・クラッカー。

フラックスシードは紀元前5000年頃のメソポタミアの時代からずっと使われてきた食べ物で、ミラクルシード（驚異の食べ物）と呼ばれ、欧米の健康意識の高い人々の間で関心を集めている。コーヒー色をした小粒の種。……この世でナンバー１の抗ガン物質と高く評価されていて、心臓病や脳卒中、糖尿病、便秘、腸炎やクローン病、更年期障害、皮膚疾患などの予防・改善、ストレスへの強化、うつ状態の改善などに役立つ強力な栄養（ファイトケミカル、不飽和脂肪酸、食物繊維）がぎっしり詰まっている（「50代からの超健康革命」から引用）。

ふだんはサラダやスムージーといっしょにいただいていて、クラッカーは、めったなことでは作らない。

「サムシング・グレート」。

大いなるものに導かれて。